Last Modified 20/09/08 |
☆ヨーグルトのタネの長期保存と菌の活性化(冷凍保存編)
メールで「タネは冷凍できますか?」という素朴な疑問を何本もいただきました。 牛乳を冷凍保存した場合、解凍すると分離してしまうので答えはNGという回答をしておりましたが、先日興味本位で実験をしてみたところ驚く結果が出ました。 あまりにも予想外の結果の為、念のため再現実験をしましたが同じ結果となりましたので、ここに紹介いたします。 予備のタネの長期保存と菌の活性化に役立ててください。
〜 冷凍保存の方法 〜 |
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・プラスティック容器(タッパーなど)にヨーグルトを入れて冷凍庫に入れます ・容器はどんなタイプでも良い。ファスナーのついたビニール袋でも良いでしょう ・普通の食品と同じようにそのまま冷凍庫で保存してください ・数ヶ月間の保存が可能です |
〜 冷凍タネの再生方法 〜 |
・ | 凍ったヨーグルトを常温でゆっくりと解凍します。(電子レンジでの解凍はダメです) | |
・ | 解凍されたヨーグルトは、水分(乳清:薄い黄色)と白い沈殿物(粒粒のもの)に完全に分離しています | |
・ | 水分(乳清:薄い黄色)と白い沈殿物(粒粒)を別々の容器に分けます | |
・ | 分けた各々の容器に内容物の2〜3倍程度の牛乳を加えて、暖かい場所で常温保存します | |
・ | ヨーグルトが固まるまでの時間は生菌の2倍程度の時間(16〜36時間)がかかります。 | |
・ | どちらの容器もヨーグルトができますので、お好みの方を新しいタネとして使いましょう | |
・ | 出来たヨーグルトはプルプルになります。 |
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解凍して別けた状態 |
水分(乳清:薄い黄色) |
粒粒の白い沈殿物 |
「水分(乳清)」、「粒粒の白い沈殿物」のどちらからでもヨーグルトが出来ますが、水分から作った方が肌触りがよく、粒粒感がありません。
沈殿物から作った方は、沈殿物の粒粒がチョット気になります。
もし、水分と沈殿物に分ける事が難しい場合は、混ざったままでも結構です。 混ざった状態の物に牛乳を加えてください。
驚くのは冷凍する前のヨーグルトはあまり元気が無く、ヨーグルトとしては粘度が低かったものが、冷凍後に牛乳と混ぜて常温放置して再生されたヨーグルトは、プルプル
にが出来上がりました。 野菜室に置いたものでも、再生されたヨーグルトは心持ち固め(ドロドロ感が強い)になりますが、冷凍保存されたタネはそれ以上に固まりました。 詳しい理由は分かりませんが、
冷凍をすることは菌を痛めているようです。しかし、これによって弱い菌は死に強い菌だけが生き残っているようで、この強い菌を使ってヨーグルトを再生することによりプルプル状態になっていると予想されます。冷凍保存という長期保存のメリット以外に、菌の活性化にも良いのかもしれません。
冷凍保存されたタネの保存期間は私自身は数ヶ月までは問題の無いことを確認しておりますが、それ以上の確認はまだ終わっておりません。 私が受取ったメール情報では冷凍庫に1年半冷凍保存されたままになっていたタネから再生が出来たとのことでした。
これまで”冷凍保存は分離するのでNG”と考えておりましたが、この実験結果が示すようにこのヨーグルトの菌は冷凍、解凍による分離など、環境の変化に対しても強いことが確認できました。 冷凍保存は一番手軽な方法です。 予備のタネの長期保存と、菌の活性化の方法として是非お試しください。
<ご注意>
冷凍保存は簡単ですが、冷蔵保存と比べて菌に与えるダメージは大きく、再生には生菌の2倍程度の時間がかかります。したがって、牛乳状態から全く固まらないで失敗してしまう可能性も高くなります。冷凍保存を実施するときには必ず冷蔵保存の予備のタネを確保した上で実施してください。 冷凍保存しているからといって過信は禁物です。
〜 2年前の冷凍保存タネでも再生できた 〜 |
(2004/10/24)
2004年9月初旬に再生テスト2年以上前の冷凍タネは復活できるか?私の実験の結果です。
2002年8月初旬に冷凍庫に冷凍保存しておいたタネを2年以上経過した2004年9月初旬に再生実験してみました。 前述のように冷凍再生は失敗することがあるのでこれだけ古いタネは無理だろうとダメ元での再生でした。 冷凍タネの量はプリンノカップ程度の固まりのため、全部解凍する必要も無いので熱湯をかけた包丁、まな板を使って半分程度の大きさに切ったものです。 大体50ml程度の固まりです。 牛乳は普通の牛乳500mlを電子レンジで3分ほどチンして25度程度まで温めた物を使いました。 熱湯消毒した容器に凍ったタネと牛乳を混ぜておいたものを、生のタネの場合と同じ様に10時間程度常温放置してみましたが、全く固まる気配も無かったため、そのまま継続放置して18時間程度経過した後に確認した時にきれいに固まっていることが確認できました。 見かけ上は大成功です。 そのまま味のテストをするにはチョット心配でしたが、覚悟してテストしたら味は普段のものと大差ありませんでした。
でも、このままで直ぐに新しいタネとして使うには不安の為、出来たものをタネとしてヨーグルトを作ることを5回程度繰り返えしてから、食用タネとしてヨーグルト作りに使ってみました。 もちろん従来のタネと混ぜるわけにはいかないので、個人的には”復活タネ”と命名して特別扱いのヨーグルトです。 これまでこの復活タネを使ったヨーグルトを1ヶ月程度、普通のヨーグルトと比較しながら食べております。 味、色、固まり具合で比較すると、再生タネの方が従来より食べているヨーグルトよりもやや固めであることが違う程度で他には目だった違いがありません。 復活タネの方が菌が元気かもしれません。 菌のレベルで比較が出来ればいいのですが、それはチョット無理なので素人的な比較になってしまい申し訳ございませんが、2年以上の冷凍タネでも十分に再生できることが確認できました。
冷凍保存の過信は出来ませんが、上手くいくこともあるという前例がある事を、ここに報告しておきます。
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